天使の舞い降りた日 - Story -

平凡な生活に訪れた出来事

主人公“比奈山絵里”は、鈴音町で生まれ、育ち。現在、隣町の高校に通っている女の子。
そこに居るだけで、周りの人に元気を与えてくれるような明るい性格の持ち主。
ごく普通の生活をして来た彼女ですが、高校二年生の春。
彼女の両親の仕事の都合上、独り暮らしを始めなければならなくなったところから、物語が始まります。

父親“誠”の職業は歴史的考古学者。母親“雪美”はそのアシスタント。
今まで鈴音町周辺の歴史を調べてきた彼等でしたが、先日発表した論文が高い評価を受け、あるプロジェクトに参加することになります。
そのプロジェクトが行われる場所は鈴音町から遠く離れた風流村という場所。
期間は翌年の夏まで。その間、その場所で暮らさなければならなくなり、家族全員でそこへの引っ越しをすることになりました。

しかし、プロジェクトが終われば再びこの鈴音町に戻ってくる事になります。
絵里は“受験”を理由に、この町から離れたく無いことを両親に告げ、独り暮らしをしても良いからこの町に残りたいと言い出しました。
両親はやむを得なくその意見に賛同しましたが、もしもの事を考え、“誠”の友人である“敬之”に絵里の面倒を頼むことにしました。
その結果、絵里と一緒に住むことになったのが、“敬之”の子供である“長井亮一”だったのです。

両親の関係上。絵里とは幼なじみである彼は、学校では有名な・・・というより、女子の間で有名な人。
どちらかというと女の子っぽい顔立ちで、格好いいというより綺麗という言葉が似合う感じの男の子。
そんな彼に、絵里は幼い頃から密かな思いを寄せていました。

小学校の時までは良く一緒に遊んでいた二人ですが、中学校への入学と同時に疎遠になってしまいます。
異性の子と遊ぶことが嫌になったのか、ただ、会う機会が減ってしまっただけなのか、絵里はいつも遠くから彼を見つめているだけでした。

この二人が一緒に暮らし始めるところから物語が始まるのです。

近すぎるから遠くなってしまう関係

一緒に暮らし始めた“絵里”と“亮一”。
そんな中で“絵里”は、「昔」と「今」の違いを実感していきます。
幼なじみといっても、中学校へ入学した頃から親しい間柄という関係ではなくなっていました。
“絵里”と“亮一”の家は中学校を起点に考えると全く逆の方向にあります。
小学校までは同じ通学路を通っていたので、通学途中に何度か一緒になってそのまま登校と言うことがよくあったのですが、
中学校に入ってからはそれが全くなくなってしまいました。そしてクラスも別になってしまって・・・。
話す事があるとすれば、廊下ですれ違ったときや、委員会で一緒になったときぐらいで、
“絵里”と“亮一”の関係は「ただの友達」という関係になっていたのです。
そして“絵里”自身、

「今、亮一くんが私に話しかけてくれるのだって、唯単に『幼なじみ』というだけだからかも知れない」

そう思うようになっていきます。